WACMEM333CD(CHERRY RED)
ELEKTRAレーベルの創始者による渾身の企画モノ。怪しいナレーションにスペーシーなムーグシンセ、シタールなどの東洋音楽までふんだんに取り込みつつ、ポップな楽曲で惹き込まれる万華鏡的エクスペリメンタル・サイケ。
音楽監督をELEKTRA RECORDSの創始者Jac Holtzmanが務め、コンポーザーにMort Garson、作詞にJacques Wilsonを迎えたプロジェクトによる68年唯一作。演奏はHal BraineやCarol Kayeなどが所属したLAのセッション・ミュージシャン集団WRECKING CREWが担当しています。バンド名どおり黄道十二宮を各曲でテーマに据えた2〜3分台の12曲を収録。サウンドは、ツンと尖ったサイケ・ギター、哀愁漂うオルガンとフルート、本格派インド音楽エッセンスを散りばめるシタール&タブラ、そして電子音楽のオリジネーターPaul Beaverが全編で操るスペーシーなムーグシンセを駆使した、実験性溢れる万華鏡サイケデリック・ポップ。MFQのCylus Faryerが低音ヴォイスで呪文のように呟くナレーションも怪しい空気が渦巻く作品の世界観にマッチします。それにしても、さすが腕利きライターたちを起用したプロジェクトだけあって、60年代末らしい熱気や実験精神は感じるもののドラッギーで混沌とした印象はなく、よく練られたポップな楽曲群と整理された隙のないアレンジメントは惚れ惚れするほどに見事です。60'sエクスペリメンタル・サイケの名盤。
LIQUID TENSION EXPERIMENT/LIQUID TENSION EXPERIMENT
トニー・レヴィンと、DTのマイク・ポートノイ/ジョン・ペトルーシ/ジョーダン・ルーデスによるグループ、98年作
570円(税込627円)
「ニッチ&ディープな68年産アルバム」〜『カケレコのロック探求日誌』一週間一気読み!〜
1968年にリリースされた、ニッチ&ディープな作品をピックアップいたしました!
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