紙ジャケット仕様、定価2600+税。
冒頭から初期クリムゾンかムゼオ・ローゼンバッハかという轟々と鳴り響くメロトロン!と思うと、エレクトロニックなアナログ・シンセは飛び出すし、ヒープ系の火を噴くようなオルガンも炸裂して、これはヴィンテージ度100%の米新鋭!
11年デビューの米オハイオ出身プログレ・グループ、スタジオ・アルバムとしては3作目となる16年作。特徴的なのが往年のブリティッシュ・ロック/プログレからの影響を色濃く反映した、70年代への憧憬に満ちたヴィンテージ・サウンド。冒頭から初期クリムゾンかムゼオ・ローゼンバッハかという轟々と鳴り響くメロトロンで幕を開け、そこにタンジェリン・ドリームを彷彿させるエレクトロニックとアナログ・シンセが絡んでいきます。そうかと思うと、今度はヒープ系の火を噴くようにアグレッシヴなオルガンとややサイケがかった鋭角的なトーンでヘヴィに弾きまくるギターがぶつかる70年代流儀のハード・ロックが炸裂。全編にわたりとても00年代以降のバンドとは思えない強烈なヴィンテージ臭が漂います。いろんな先人バンドの影響を感じさせるもののごった煮風にはならず、整理された中で鳴らされているところはこのバンドならではのセンス。次にどんな音が飛び出してくるのだろうという面白さがあり、節操の無さがかえって魅力となっている部分でしょう。アコースティックギターがメランコリックに鳴らされる「静」のパートも加味した、見事な構築性を発揮する27分の最終曲も特筆すべき完成度です。
EMMANUEL BOOZ/DANS QUEL ETAT J'ERRE
前衛的な作風を持つフランスの異端シンガー、79年作4th、MAGMAのDidier Lockwoodなど参加
1,270円(税込1,397円)
2016年に入荷した各国注目の新鋭作品をピックアップしてまいります☆
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