ビートルズ『ラバー・ソウル』好きが共通項で2人が出会ったのが66年。その翌年の67年には、トルコが誇るミュージシャンBaris Mancoのバック・バンドに起用され、サイケ期の数多くのシングルのレコーディングに参加しました。69年にデュオとしての初のシングルをリリースした後、73年にリリースしたデュオ唯一のアルバムが本作です。力強くもたおやかに鳴らされるアコギのストローク、ゴリゴリとしたトーンのベース・ライン、後ノリのふくよかでタイトなドラムが生み出すルーツ・ロッキン/フォーク・ロッキンなサウンドが印象的で、ファズ・ギターやシタールやタブラによるオリエンタルなムードはありますが、コテコテではなく、良いアクセントにとどまっているのが印象的。ヴォーカルもまた、エキゾチズムとともに、木漏れ日感やドリーミー・フレイヴァーが混ぜ込まれていて、聴きやすい感じ。英米スワンプやパブ・ロックの「ソウル」をトルコの「民族フォーク」に置き換えた感じでしょうか。ミスティックな女性ヴォーカルをフィーチャーした曲なんて、メロウ・キャンドルあたりのファンもたまらないでしょう。英米ロックのファンにもオススメな好盤です。
レビューは登録ユーザーのみ記入できます。
まだレビューはありません。