イタリアを代表するカンタウトーレ、アラン・ソレンティの妹ジェーン・ソレンティがヴォーカルとして在籍したグループ。73年作の1st。ロック、ジャズ、クラシック、現代音楽、トラッド/フォークを無作為に放り込んだような、格調高くもテンション溢れるサウンドが聴き所。それを煽るかのように感情豊かに振る舞うジェーンのヴォーカルもさすがの存在感。
72年発表、「英フォーク三種の神器」の一つ、ツイン・フィメール・ヴォーカルが美しいブリティッシュ・フォーク・ロックの傑作!
1,190円(税込1,309円)
IL TEMPIO DELLE CLESSIDRE/IL TEMPIO DELLE CLESSIDRE
MUSEO ROSENBACHのヴォーカルStefano Galifiがヴォーカルを務める70年代プログレのテイスト濃厚なヘヴィ・シンフォ、2010年デビュー作
1,490円(税込1,639円)
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キレキレ系プログレ・アシッド・フォークの傑作(4 拍手)
ひでぽんさん レビューをすべて見る
孤高のシンガーアラン・ソレンティの妹、ジェニー・ソレンティ率いるナポリ出身のバンドのデビュー作。
かつては、オパス・アヴァントラの1st、ピエロ・リュネールの「グドルン」と並び称された、アヴァンギャルド系女性ヴォーカル物の1枚なんですが、他の二つのバンドの音楽性がクラシックの素養の基に成り立っていたのに対し、このバンドの基礎にあるのは、兄貴のアラン同様アシッド・フォークや60年代サイケデリック・ロックであることが明らか。
しかしながら、イタリア人としての血は争えないのでしょう、アシッド・フォークと言っても、メロディはクラシカルで、むせ返るほどの美意識をそこかしこに感じます。加えて、キレまくったジェニーのヴォーカルも、たとえばドイツのヘルダーリンのような重苦しさは全くなく、イタリアらしいパッション溢れるもの。正に、ジャケをそのまま音にしたような音楽性です。
なお、かなりヤバめジャケ写真は、「イタリアのキーフ」と呼ばれた(?)ウンベルト・テレスコによるもの。彼は、後にジェニーと結婚することになります。
美しい世界観(3 拍手)
Mayumiさん レビューをすべて見る
ほぼジャケ買いだったが、これは当たりだった。このグループはルイ・アントワーヌ・レオン・ドゥ・サン=ジュスト(Louis Antoine Leon de Saint-Just)という、フランス革命時の政治家から名前を取っているようだ。冷酷かつ美しい青年だったため「革命の大天使 (Archange de la Revolution)」とも言われていたとか。調べてみると、“けったい”な人物だったが、このアルバムも実に“けったい”だった(後者は良い意味で)。
イタリアのグループだが、名前の通り、フランス物のような冷たさと耽美性がある。演奏が明るい曲もあるが、ジェーンの歌声が物の見事に明るさを壊していて、またそれが良い。ちなみに兄のアランも参加している。彼の『Aria』が好きな方は気に入るのではないかと思う。