ノルウェーのバンドWHITE WILLOWのJacob Holm-Lupoを中心に発足したプロジェクトであるTHE OPIUM CARTELでもその儚げで退廃的な歌声を聴かせていたボーカリストの09年作。基本的にはSSW系ポストロック色を強く持ったサウンドという意味で、かなりTHE OPIUM CARTELとの類似点を感じさせるのですが、THE OPIUM CARTELつながりからか、ANGLAGARDのMattias Olssonがゲスト参加しているほか、なんとANEKDOTENのNicklas Barkerもメロトロン奏者として参加しており、プログレファンならば無視できない作品となっています。バンドセクションのほかにもトランペットやフルート、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロなどの管弦セクションがとても充実しており、より退廃感と夢想感を際立たせていますが、特筆すべきはメロトロンの洪水系作品としてのクオリティーの高さであり、管弦セクションの生のアンサンブルにメロトロンのストリングスやフルートが重なったときの音の広がりには鳥肌を覚えます。北欧の冷ややかな空気感がじんわりと胸を締め付ける大傑作です。
レビューは登録ユーザーのみ記入できます。
まだレビューはありません。