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エバーグリーンな人生応援歌(1 拍手)
たすけさん レビューをすべて見る
ロックを長く聴いていると、全く予想できないジャンルの新人に出会うことがあります。どちらかと言えばわたしは、そういう新しい才能を評価することができないたちの人間です。たいていは斜めに構えてしまう。ところが、彼らに出会ったとき、あまりの愚直さと熱さに涙が込み上げてしまいました。メンバーが4人で、電子ピアノ以外は全部アクースティック。ドラマーはいず、ギターのマムフォードが大太鼓を足踏みしながら歌います。
フォーク?ボブ・ディラン?全然違うでしょう。英国トラッドが反逆したロックンロールです。この音に触れてすぐ、動画サイトで姿を確認しました。全部のシングルがアップされていましたので。エキサイトしながら弾くウッドベース、大太鼓を踏むマムフォードには感動しました。最もインパクトあったのがバンジョーという楽器の新しい演奏です。この楽器はダウンストロークができず、アルペジオのみなのに、演奏者の興奮ぶりがここまで伝わってくるものなのか、と。
彼らは、ほどなく電化し、相変わらず優れた音楽を出し続けますが、わたしにとってのマムフォード&サンズは、最初の2枚です。背中を押されるように響く大太鼓と、バンジョーかき鳴らしを聴きたくて。生きていくってつらいなあ、と思いながら。