LDV012(LIZARD) 【2017年発売CD】
イタリア語の「歌」の魅力を最大限に引き出すシンフォニック・ロックが素晴らしい!90年代を中心に活躍したSITHONIAのメンバーが結成したバンドだけにベテランの風格があります。
90年代を中心に活躍したイタリアン・シンフォ・バンドSITHONIAのベーシストValerio RodaとヴォーカリストMarco Giovanniniらを中心に結成された新バンドによる17年デビュー作。ストリングス系のシンセによってクラシカルな格調高さを生むキーボード、クランチトーンを中心に落ち着いたプレイを聴かせるギター、リリカルに彩りを添えるフルート、そしてSITHONIAでも聴かせた哀愁あるイタリア然とした力強くも切々と歌うヴォーカル。「歌」の魅力を最大限に引き出すことに全てを注ぎ込んだようなサウンドとなっていて、ベテランの風格が現れた枯れた味わいのあるシンフォニック・ロックがまた絶品です。中心メンバーがベーシストというだけあって、時にアンサンブルを牽引する存在感あるベースプレイも聴きものです。魂のこもったイタリア語歌唱をじっくりと楽しませてくれる逸品に仕上がっています。
レビューは登録ユーザーのみ記入できます。
イタリアンロックは歌心。(1 拍手)
purebluesさん レビューをすべて見る
イタリアのシンフォバンド。2017年作。1st。
ゆったりとしたミドルテンポの楽曲にイタリア語の熱い歌唱が乗る、味わい深いシフォニックロック。
イタリアンロックの美点は「テクニカルなアンサンブル」や「ドラマティックな曲展開」「哀愁のメロディ」などいろいろあると思うが、ここまで日本人に受け入れられたのはそこに「歌心」があったからではないかと個人的に思う。このバンドの曲を聞いたとき、なぜ自分がイタリアンロックが好きなのかを改めて思い出させてくれた。
全体的に落ち着いた雰囲気が充満しており、「大人のP.F.M.」といった印象をもった。すべての楽器が出しゃばり過ぎず、「歌」を支えているのだ。
ただ「ゆったりとした」とは結局はリズムパターンが単調であるとも言えるわけで、次作以降はドラムの奮起を期待したいところ。