ANIMALSに在籍していたギタリストHILTON VALENTINEが69年に発表したサイケフォークの隠れた名盤。本作が制作された60年代後半、ご多分に漏れずこの人も強烈なアシッド体験をしていたようですが、楽曲はバンジョーや管弦楽器に彩られた牧歌的なフォーキーサウンドがメイン。木漏れ日のなかで口ずさみたくなるような良曲揃いです。表舞台で活躍していた人だけに、楽曲アレンジはさすがに秀逸です。
ALUSA FALLAX/INTORNO ALLA MIA CATTIVA EDUCAZIONE
イタリアン・シンフォ、74年作、PFMに通ずるリリシズムとダイナミズムを備えた名作
1,290円(税込1,419円)
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紫煙と陽だまりの隠れソフト・ロック佳作(0 拍手)
さん レビューをすべて見る
アニマルズのオリジナルギタリスト、ヒルトン・ヴァレンタインの1969年発表のソロ・アルバム。60年代ビートバンドの二番手三番手メンバーのソロ作(バッファロー・スプリングフィールドのブルース・パーマー、ラヴィン・スプーンフルのザルヤノフスキー、トロッグスのクリスブリットンなど)は傑作とは言えないまでも味わい深い佳作が多いですがこれもそんな一枚です。
プロデュースとストリングス&ホーンアレンジは第二期アニマルズのヴィックブリッグスが担当しています。内容はドノヴァンの影響大のlove、peace、girl等の言葉がちりばめられたチャイルドライクな歌詞のフォーキーサイケで、ハープシコードとヒルトンのアコースティックギターに時折バロック的なストリングスとややヴォードビル調のホーンが絡むソフトロックサウンドです。(ビージーズも連想させます。)
ヴィックブリッグスがいた第二期アニマルズは「サンフランシスコの夜」などサイケ・ポップ名曲を残しているのでプロデューサーとしてはハマリだと思います。楽曲は全てヒルトンの手によるもので前述したようにドノヴァンライクではありますが、仄かなアシッドの香りと陽だまりを想わせるナイーヴなメロディはこの人の資質なのでしょう。
ただしいかんせん発表した年代が遅かった。1969年はサイケデリックから原点回帰の骨太サウンドへ移行し、従来のサイケサウンドはプログレッシヴ・ロックへと進化する時代です。サマー・オブ・ラヴ爆発の1967年に世に出ていればあまたのサイケ名盤と共にリスナーの口の端に上っていたかも知れません。
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2さん レビューをすべて見る
アシッドでもサイケでもなくて、かなり地味で素朴なフォークソングなのですが聴くほどにじんわりと沁みてきて、なんとも深みがあるというか滋味に富んでいるというか、とても良いものに出会えたなあという感じです。