TRANSFER STATION

ストーリーズ、ビッグ・スターの系譜（3 拍手）

たすけさん レビューをすべて見る

79年、フォトメイカーのラスト作。彼らには元ラスカルズ、元ラズベリーズという略歴がついて回ります。でも実際はギター・ボーカルのレックス・マーケシとキーボード・ボーカルのフランキー・ビンチという二人のソングライターが回していたグループだと思います。リードもほぼ二人で引き受けています。わたしはラズベリーズの、重いギターを持ち込んでいたウォリー・ブライスンを追ってたどりつきました。ブライスンはこのレコード制作前に脱退。作曲でもボーカル、ギターでもマーケシの重みは増し、バンドの屋台骨を背負う形になっています。甘々ポップと、ハードネスを中和させていた彼らの特徴はなく、ディスコ、ファンク一辺倒のアレンジがあまり評判よくありません。ただし曲の出来はフォトメイカー3作のうちでもトップではないかと思います。わたしはレックスの柑橘系の声が好きで、ヘビーロック患者のくせにこのアルバムが嫌いではありません。「メイク・ミー・ウォナ・ダンス」ではイアン・ロイド（ストーリーズ）の声が聴けます。

しかし、ディスコ・ファンならいざ知らず、US隙間パワーポップというジャンル分けならファーストです。じじいの顔大アップがカバーに採用されているセカンドは聴く人が少ないです。彼らは2年間で3作というハイペースで散ってしまいました。2023.11.26