CD128(GARDEN OF DELIGHTS)
ボーナス・トラック2曲。
「2ndが聴きたかった、と思わせる、悲しきB級ジャズロック。悲しいかな、とっても惜しいです。なにが惜しいのか? 曲がカッコイイんです。そのどこが惜しいのかって、だって一番カッコイイ曲がボーナスなんですもん!」by kobakunさん
ドイツ北部出身の伝説的ジャーマン・サイケ/ハード・ロック・バンドVIRUSに在籍していたWermer Vogtを中心にしたプログレ/ジャズ・ロック・バンド。本作は、自主制作盤としてリリースされた75年唯一作。変拍子等のギミックを取り入れながらも決してテクニックに溺れることなく、楽曲の良さも際だったジャーマン・プログレ/ジャズ・ロックの隠れた佳作。フュージョン/AOR的な香りする品と柔らかさを湛えたクロス・オーヴァー・サウンドが心地良く、フェンダーローズ等の使い方も効果的。インタールードで醸し出されるジャジーなテイストもいい塩梅です。柔らかいシンセ音と泣きのツイン・ギターがクラシカルな響きを湛える変拍子曲M2「A Break is Not the End」はプログレ・リスナーから英ハード・リスナーまで幅広くオススメしたい逸曲です。
カンタベリーのDNAを受け継ぐエストニアの新鋭ジャズ・ロック・バンド、緊張感あるダークな音像とカンタベリーなメロディアスさの見事な融合を聴かせる17年作!
2,390円(税込2,629円)
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「2ndが聴きたかった」と思わせる、悲しきB級ジャズロック(15 拍手)
kobakunさん レビューをすべて見る
悲しいかな、とっても惜しいです。なにが惜しいのか? 曲がカッコイイんです。そのどこが惜しいのかって、だって一番カッコイイ曲がボーナスなんですもん!「えっこれがボーナスなの」という複雑な思いはさて置き、とりあえず、この1曲だけでも手に入れる価値はあります。
まず正規の収録曲ですが、雰囲気はフュージョンに片足を突っ込んだライトでややファンキーなジャズロック。6曲中5曲が歌入り。ただ、この歌が曲者で、けだるげでイナタイ感じが、いかにも「ジャーマン」なんです。ほどよくテクニカルで、ほどよくジャーマンという感じが、独特の個性を醸し出し、最後まで退屈することなく一気に聴けます。同じドイツのThirsty Moonなんかに近いかもしれません。同じように地味ですが・・・。
さて、本題?のボーナス収録の8曲目「journey」です。これが冒頭でも書いたように「超」のつくカッコイイジャズ・ロック。ポコポコなるプリミティヴなパーカッションをバックに、浮遊感のあるサックスが絡む所などは、NUCLEUSをダークにしてKOLLECTIVを足して2で割ったような感じです。アルバム全体がこんな感じの曲ばかりだったら、と思うと残念でなりません。そしてこの路線で次作が作られていたら。う〜ん、あまりに惜しい。オリジナルは自主製作、それも1枚だけで消えてしまったこのバンド。埋もれた幻の名盤とまでは言いませんが、「B級発掘物」だけにとどめておくにはあまりにも惜しい、徹頭徹尾「惜しい」尽くしの1枚です。