KING CRIMSON/IN THE WAKE OF POSEIDON
衝撃的デビュー作「クリムゾン・キングの宮殿」の構成を踏襲した70年2nd、前作に匹敵する重厚さドラマ性に加えジャズ系ミュージシャンを起用し新機軸も打ち出した一枚
490円(税込539円)
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バンド名の悲劇(9 拍手)
たすけさん レビューをすべて見る
よくあるブリティッシュ・ビート。でも驚くことがふたつあります。ひとつは、ギターの重さです。「ノー・グッド・ウィズアウト・ユー」の引きずるようなナチュラルファズ・ギター。ヤードバーズのようでとてもカッコいいではないですか。もうひとつが、この曲たちをロン・ウッドが書いていること。たしかに上手いギターとはいかないけれど、サイケの波しぶき以前にハードロックと言ってもいい曲を演奏しています。65年ですからね。
ライナーを拝見すると、彼らはたしかにロンドンで人気があったようです。ある時点までは。その時点とは、「ミスター・タンブリン・マン」を爆発的に売り上げたUSの「バーズ」の出現のときです。西海岸の「バーズ」を期待してギグに行くと、全く違うという混乱が。そりゃファンは怒りますわね。しかしジェフ・ベックは違った。こいつをセカンド・ギタリストとして引き抜いてやろう、と。かくして有望なビート・バンドはキャリアを終えてしまいます。
彼らが好んでいたのは、モータウン、あるいはボー・ディドリー風のジャングル・ビートです。このCDは、アルバム制作までいたらなかった彼らの全曲集になっています。アートウッズ、クリエイション、ボー・ストリート・ランナーズより、わたし好みなのでした。2022.06.20