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アラン・ホールズワース
テクニカル系ギタリストの大御所、アラン・ホールズワースの1993年の作品です。ポリドールに移籍後の第1弾「Wardenclyffe Tower」では変態ギターの極みとも言える「バリトンギター」を導入して、以前からのファン対して再度「???」という大きな疑問符を投げ掛けたホールズワースですが、前作から間髪入れずに発表されたこの作品では、やや原点回帰の兆しがうかがえます。前作で不評だった(?)バリトンギターを一切使わず、またシンタックスが使われているのは全7曲中、2曲のみ。その意味では、「Sand」の反動からギター中心に切り替えた「Secrets」に近い作風になっています。メンバーは、スティーヴ・ハント(キーボード)、スクリ・セバリソン(ベース)、ゲイリー・ハズバンド(ドラム)という構成。
1曲目の「Prelude」では、往年のプレイを思いだしたかのような超絶技巧で聴く者のド肝を抜きます。フレーズの美しさ&変態性は神ワザにまで昇華されています。やはり、本来のギターアルバムでこそ、ホールズワースの魅力が十分に伝わるものだと確信します。この時期、ホールズワースはやたらと他のミュージシャンの作品にゲスト参加していますが、ヨソサマの作品ではあれだけ素晴らしいプレイをするのに、どうして自分名義のアルバムだと迷走してしまうのかが永遠の謎だと思われていました。この作品では、決して十分だと思いませんが、本来の輝きを取り戻したのではないでしょうか。"