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TWENTY SIXTY SIX & THEN
70年代のジャーマン・ロックはよく「ごった煮」的な要素が見受けられますが、良い意味でそれを象徴しているバンドがTwenty Sixty Six And Thenであると思います。彼らはヘビーなサウンドとクラシックやジャズといった様々な要素を巧妙に混ぜ合わせ、一つの音楽として成立させているあたり、本当にただ者ではありません。演奏も安定していて申し分ないです。特に気に入っている曲が「Autumn」なんですが、まぁ〜これの冒頭におけるギターのメロディが72年とは思えないほどヘビーで驚きます。しかし、そこまでヘビーさを出せていてもそれだけで押し切ろうとはせず、しっとりとしたフルートやクラシカルなオルガンなどを取り入れて曲を展開していくといった彼らの「ごった煮」精神をよく表している名曲だと思います。よく考えると、Twenty Sixty Six And Then はKin Ping MehだけではなくAera、Emergency、Karthagoなどなどのメンバーが在籍していたので、このような素晴らしい作品に仕上がったのは必然的と言えるような気がします。ヴォーカルのGeff HarrisonとギターのGerhard Mrozeckは後に私の大好きなKin Ping Mehの『3』で共演しますが、その前に二人がこんな傑作を残していたと思うと胸が熱くなります。
ちなみに72年唯一作と書かれていますが、正確に言うと『Reflections!』は72年の唯一作、『Reflections On The Future』と発掘音源の『Reflections On The Past』のコンピレーション・アルバムです。72年の方は「How Would You Feel」という曲以外はすべてこのコンピに収録されており、発掘音源の方はたしかLPのみの発売だったと思うのでこのコンピを買うことをおすすめします。セカンド・バトルと契約して日本でジャーマン'70ロック・コレクションとして発売された印象が強かったのですが、今年Prog Templeというレーベルがリイシューしていたことに驚きです。