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ET CETERA
30年近く前に中古盤屋さんで買ったLPの買い直しです。
カナダ ケベック産の1976年唯一作 全7曲で36分。 (76年のケベック産は 〈ポーレン〉 〈オパスサンク〉 など)
当時から 〈ジェントルジャイアント=以下GG〉 そのまんま、ということで話題になっていた一枚です。
世にGGっぽいと言われるバンドは変拍子にクロスリズム、グリークラブの様な混声合唱、気を惹かないVoメロディライン、弦楽器/管楽器/他メンバー担当楽器/などの持ち替え、という難儀なことしている割に華のなさが「職人気質」と相俟ってリスナーを選ぶ、という弊害を生む訳ですが・・
(とは言っても、ある日どういう訳か取りつかれた様になると大好物になる類で。 私の盤の中では ライヴ盤含め 〈イエス〉 〈ブランドX〉 〈A.ホールズワース〉 〈ストローブス〉 〈カンサス〉・・バラバラ嗜好・・ 同様の枚数を占めています)
閑話休題、想像ですが 〈ジェネシス〉 〈イエス〉 フォロワーの各国バンドは好きが高じた結果に対し、当 〈エトセトラ〉 の場合、「このくらい再現出来る!」 という 「ワザと感」 「ある意味寄せたあざとさ」 が感じられて仕方がありません。
(76年当時の本家はアルバム『Interview』発表で時代に合わせた路線に迷う時期が始まる)
でも完成度はピカイチですし、作曲含むテクニックも「いきなりこれ〜?」的なプロ仕事。
GGと比較するなら、より端正で音のつぶが揃っている(カナダ出身は70年代から音の分離がいいミキシングをするので、クリアかつ楽器耳をするには最適)、アクが少ない(聴き流しも出来る?)、ベースとドラムのグルーブ=横揺れ、は本家に負ける(でもドラムはジョン・ウェザースの叩き方にすごく近い)、ダブルKbなのでクラビネット+リードムーグ(ベンド多様でジャズロック仕様の音)の厚み、といったところでしょうか。
ケリー・ミネアもステージでは右手シンセリード、左手クラビとかやってましたが・・
ケベックのフランス語なのも一風カンタベリーっぽく聴こえるかも・・
違いの決定的なのは、女性Vo&Kb (マリー・バーナード) の弾くオンド・マルトノ。
(仏で開発された電子楽器、ZEPで有名なテルミンの鍵盤付みたいなもの、実際はリボンコントローラー的な奏法です。音色は3種の専用スピーカーで選ぶ !!)
3曲に効果的に使用されており、調べてみたら解散後クラシック畑でオンディストとして活躍されているとのこと。
ケベック同郷の <アルモ二ウム> 2nd 『Si on Avait Besoin D'Une Cinquième Saison(75年作)』にも一部、同楽器で参加している様です。
クラシック方面から硬派なGGを再現した様な、フレンチ風味で浮遊感も備えたクールな一枚でした。
実は天才=難度な曲 なのに、ふざけて不良ぶる=あくまでポップに聴かせる本家に対し、私根っからの秀才よ!と言ってる様な。。
ちなみに1曲目の『La Musique Tourne』は冒頭のSE(GGはコインの転がる音、こちらはDrのロールを加工?)からイントロのリフレインまでGGの 『Octopus(73年作)』 5曲目「The Boys in the Band」にそっくりです(やっぱりワザとっぽいなぁ〜)。
米レーベルMANDALA盤でしたが、まだカケレコさんでは1枚在庫ある様です。(2018.2.18現在) 興味のある方は是非!