はじめまして、カケレコへようこそ! ログイン
ASIA
本作はなんだか随分と古めかしい曲センスだなあ…。1曲目の歌に入る前の「ジャッジャーン」っていうギターの入り方も、聴いているこっちが恥ずかしくなるくらい、ちょっとダサイ。なんとなくメロディセンスも、「泣きメロ」と言うより「くさメロ」で、更に10年古い印象である。
一般的に「プログレハード」と紹介されているが、これには異論ありだ。確かに突然曲調が変わる展開もあるが、これが全く曲の流れに関係の無い変化なのだ。この辺り、プログレ特有のインテリジェンスが感じられず、バンドポリシーの薄さを露呈している。実態は「ハードロック」とジャンル付けすべきだろう。(※但し、セカンドはプログレハードらしく改善している)
さて、散々な書き出しとなったが、採点すると逆転して星4つの秀作となる。逆転材料のいいところを言うと、全体的にエネルギッシュ。何より楽曲の技術が高い。テクニックは本物だ。古くささが少し薄まったセカンド収録の「Love may〜」と「The taming〜」のギター間奏は、おもわず「かっけー!」と声をあげた名演。「Love may〜」のギターの掛け合いは、ツインギターファン必聴である。「The taming〜」に至っては、まるでアモット兄弟が演じるようなフレーズで、腰が抜けるほど感激した。
多くは疾走感のある曲に食いつくだろうが、実はバラードも中々いい。「The bard」あたりは、ブリティッシュフォークっぽくて心に染みる。
総評としては、カッコイイ箇所と、ダサイ箇所の混在で、感動は乱高下させられる。全体として懐メロ臭いもったり感が拭えないテイストではあるが、曲自体はいいので、そんな「痛さ」も愛おしく思えるから不思議。掘り出し物と言っていい珍品である。