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1790円
1432円 (税込1575円)
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帯【有】 解説【有】
盤質: | 無傷〜傷少なめ | 傷あり | 傷多め
状態: | 良好 | 並 | 不良 |
最初期から1975年に至るまでの未発表音源をまとめたLP2枚組のコンピレーション。19曲77分という凄まじいヴォリュームで、もうひとつのベスト盤とも呼べる内容。カンにとっては一番60年代当時のビート・バンドに近い作風と言える名曲「Connection」、数十年後の音楽を先取りしていたとしか思えない異様に予見的な「Fall of Another Year」や「The Empress and the Ukraine King」、マルコム・ムーニーのポエトリー・リーディング調のヴォーカルが冴え渡「Mother Upduff」といった、初期のマテリアルだけでも十分に素晴らしいが、ダモ鈴木が日本の「公害の町」に嫌気がさして「ドイツに逃げよう」と英語まじりの日本語で歌う「Doko E(どこへ)」や、『フューチャー・デイズ』期のアンサンブルが秀逸な浮遊感溢れる「Gomorrha」、さらにはカンにおけるユーモアと演奏の自発性を最も良く表している「Ethnological Forgery Series (E.F.S.)」など、何もかもが魅力的である。
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レビュアー:たすけさん レビューをすべて見る
わたしが子どもの頃、短波が聴けるラジオが流行しました。ソニーがスカイセンサー、ナショナルがクーガーというラジオを発売し、電気好きな子が短波で国際放送を聴く、というわけのわからないムーブメントでした。たいていは、日本向け日本語の国際放送を聴いて、飽きていってしまいます。ところが凝り性のわたしのこと。日本語だけでは満足せず、アフリカから発信する英語、仏語の放送にのめり込んでいったんです。そこで聴けたのが強烈な太鼓と、ビートのあるアフリカン・ポップです。ホルガー・チューカイも同じように短波を聴いて「これは何だ」と思っていたようです。
アフロ・ポップがブルーズを経由せず、欧州に輸入された稀有な例だと思います。メロディらしいメロディは印象に残らず、強烈なビートか、電子楽器の断片を聴くレコードになります。これがメランコリーにべったりと浸かった洋楽耳には、えらく新鮮に響きます。
ダモ鈴木は、公害のある汚い街からドイツに逃げ出そうと語ります。歌ではなくラップで、です。四大公害病とか、コジラ対ヘドラの時代。新潟水俣病は全然終結していなくて、いまだ公害病の認定を受けられず裁判している人々が多くいます。カンは、ユニバーサルな病理にも真面目に向き合っていたのでした。2024.04.30