はじめまして、カケレコへようこそ! ログイン
新品・中古ともに在庫ございません。
Dave StewartがHATFIELD & THE NORTH在籍中に、一時的に再結成され録音された3rdアルバム。74年作。HATFIELDに通じる緻密なジャズ・ロック・アンサンブルとアヴァンギャルドな感覚が合わさったサウンドは圧倒的なテンション。前2作で聴けた破壊的なオルガン・ロック・サウンドも健在で、演奏のダイナミズムは過去最高。傑作。
他のファンのために、あなたもCDのレビューを書きませんか?
他のユーザーの投票(拍手)の数が多いレビュアーは、ベストレビュアーとしてページに掲載されます。
レビューは登録ユーザーのみ記入できます。
レビュアー:たすけさん レビューをすべて見る
カンタベリー・シーンを見渡した時、気づくのはボーカリストの地位の低さです。みんな演奏の片手間に歌っている人ばかりで、リチャード・シンクレアにしてもボーカルで食えていく人ではありません。ロバート・ワイアットにいたっては、彼がどれだけ演奏していくことにこだわったか、カケレコのユーザーさんでしたらご承知のことです。モント・キャンプベルが書き溜めていた曲を演奏した、というこの盤で、その理由が垣間見える気がします。
デイブ・ステュアートとキャンプベルが意気投合したのは、ふたりともクラシックの作曲法に関心があったからなんだそうです。変拍子と転調の嵐である奇怪な作曲は、そこから来ているらしいんですね。この盤が「エッグ」を名乗っているのは、録音できなかった曲「エニアグラム」と、キャンプベルのアイデアを具現化したことが理由です。「ポライト・フォース」の雰囲気がある盤でありますが、率直に申し上げてキャンプベルの管楽四重奏にはそれほど魅力を感じませんでした。まだ未熟で、キャンプベルのソロ・レコードのほうが数段完成されています。
彼らカンタベリーの音楽家は、プロの歌手になりたかった人がいません。学園祭のノリで色んな人と演奏交流する目的で、最終的にプロになった人がほとんどです。クラシックとジャズの即興をミックスする演奏で、結果的にボーカリストが育たなかったんでしょう。この盤で1曲だけボーカルが入ります。はっきり言って下手です。2023.10.21