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ATOM HEART MOTHER

PINK FLOYD

評価:51件のレビュー

在庫なし

CDP7463812(ジャケロゴあり)(CAPITOL

ジャケットに「PINK FLOYD ATOM HEART MOTHER」の印字あり、MADE IN U.S.A。

新品・中古ともに在庫ございません。

カケレコ・レビュー

70年発表、プログレと言えばこのジャケ!A面の大作、B面の小曲集ともに美しく気品ある佇まいの名曲で固められた傑作

サイケデリック・ロック全盛期に登場しデビュー・アルバム『夜明けの口笛吹き』をリリースするも、中心メンバーのギタリストSyd Barrettが脱退。以降、ベーシストRoger Waters、ギタリストDave Gilmour、キーボーディストRick Wright、ドラマーNick Masonという布陣でブリティッシュ・ロック史に残る傑作を連発し、1996年には「ロックの殿堂」入りも果たした世界的なグループ。奥深いテーマに基づいたコンセプト・アルバムの数々は、現在に至るまで多くのミュージシャンたちに影響を与えて続けています。1970年に発表された4thアルバム『原子心母』は、ヒプノシスによる牛のカバー・アート、英単語の直訳をそのまま並べた個性的な邦題、そして、日本盤帯に書かれた「ピンク・フロイドの道はプログレッシヴ・ロックの道なり!」というキャッチ・コピーが広く知られた名盤です。やはり一番の聴きどころは、スコットランド出身の前衛作曲家Ron Geesinをオーケストラ・アレンジャーに迎えた23分のタイトル曲「Atom Heart Mother」でしょう。ブラス・セクションや混声合唱を贅沢に配置したサウンドが、プログレッシヴ・ロック時代の幕開けを宣言するかのように堂々と響きます。一方、Roger Waters作曲の「もしも」、Rick Wright作曲の「サマー'68」、Dave Gilmour作曲の「デブでよろよろの太陽」は、共通して美しいメロディーが印象的な小品。そして、アルバムの最後にはミュージック・コンクレートの手法を用いた「アランのサイケデリック・ブレックファスト」が控えます。なおグループは、本作で初めて全英初登場1位を獲得しました。

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レビュー一覧

評価:5引き算で音をつくるバンド(5 拍手)

レビュアー:たすけさん レビューをすべて見る

プログレッシブ・ロックのアイコンとして燦然と輝き続ける怪物作品。でも先鋭すぎることはなく、金管によって演奏される主題部を作曲できたときにこのアルバムの成功は約束されたようなものだったと思います。主題部が登場するのは三回。しかも三回目の登場が巧妙で、金管は裏メロを演奏するのみなのです。肝心の主題部はユーザーの脳に刷り込まれているので、あたかも自分が主役で演奏しているかの(実際は鼻歌や口笛を吹くわけです。)錯覚に陥ります。この構成をポップと言わずして何と言いましょう。クラシックなんか指向していないことは明らかです。

主題部が消えた後をつないでいくのが、リック・ライトのオルガンとデイブ・ギルモアのブルーズ・フィーリング(あるいはハワイアン・ギター)です。つまりフロイドはカタルシスの部分を管弦楽に任せ、自分たちは進行役に徹するという方法を思いついたわけですね。ここで申し上げたいのがフロイドを貫く三原則。(1)急がない(2)弾かない(3)歌わない、です。あまたのグループと違ってフロイドは引き算で作曲しているんではないか、がわたしの持論です。引いて引いて曲が成り立たなくなる寸前まで音を削る。そして残った音を異常なこだわりで磨いてつくる。わたしの考えるフロイドはこれです。

とは言いつつ、最初に聴いたときは中学生。ビートルズ以外のロック・グループで初めての購入がこのアルバムでした。何が何だかわからない。わからない上に「原子心母」の主題部やら、「イフ」の寂しさやら、「サマー68」の爆音ピアノやら、「サイケデリック・ブレックファスト」のシリアルを食う音とかが脳内を混然と駆け巡り、異常な興奮がひと月は続いたのを覚えています。

ナイスレビューですね!

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