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レビュアー:たすけさん レビューをすべて見る
わたしのいちばん好きなフーの楽曲は、「リアル・ミー」だと思います。波の音を聴いただけでブライトンの断崖が思い浮かびます。四重人格とは、タフ・ガイ、ロマンチスト、分裂病者、乞食のことで、主人公のジミーはこれら人格が順繰りに合われるため、医師も牧師もお手上げ状態というのが設定です。果たして性格が「乞食」とは、いったいどういう状態なのか。フーのメンバーで「乞食」の役割を担ったのは誰なのか。弦楽を交えたダイナミックなサウンドトラックで、いろいろなことを思い出しては、考え込んでしまいます。
映画ではジミーは、ほとんど悪いことをしていないのに、どんどん追い込まれていきます。いや、悪いことをしていないけど、よいこともしていません。状況に任せて悪乗りしているだけなんですから。ひどいと思ったのが、ベル・ボーイをしていることが判明したエース(映画ではスティング)に勝手に腹を立てること。ベル・ボーイだって無職のお前よりずっといいだろ。石ノ森章太郎の漫画では将来マネージャーに上り詰めるぞ。
逆に映画の前半では、ジャンキーでR&Rバカであるだけの若者が、ふざけているだけ。いけいけどんどんの世界で、こりゃいつかツケを払うんだろうな、と思わされます。でも人生って、体によくなくても無理に酒飲んで吐いたり、女にふられたりすることがどうしても必要なんですよ。2022.06.05