カケレコ・レビュー

大山曜率いるプログレ・グループ、08年作

88年始動、コンポーザー/マルチプレイヤーの大山曜によるプログレッシヴ・ロック・ユニット、アストゥーリアス名義では93年以来15年ぶりとなる08年作4th。多重録音によって制作された2つの組曲を収録。清らかな音色で淀みなく鳴らされるピアノと瑞々しくも陰影のあるアコースティックギターによって織り上げられる緻密な反復フレーズ、そこに透明度の高いフルートや広がりある芳醇な音色を響かせるチェロが加わり、流麗な中にも躍動感を秘めたエレキギターが駆け抜ける、まるで妖精が舞う太古の神秘的な森のイメージが浮かぶような音像。影響下にあるマイク・オールドフィールドの初期作にも肉薄する映像喚起的な優美さを持った多重録音アンサンブルを聴かせています。中でもエレキギターはトーンもフレーズもマイク・オールドフィールドを強く意識したもので、曲の盛り上がりに呼応して次第に熱情を高まらせていくプレイはかなり感動的。随所で現れるメロトロンも演奏に言い知れない神秘性を与えていて素晴らしいです。初期オールドフィールドの世界観と手法を見事に踏襲し編み上げられた珠玉の一枚。

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曲目リスト

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• ハイランド
• ノスタルジア
• ローガス
• ブリリアント・ストリームス

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