カケレコ・レビュー

アメリカ初のロック・オペラと言われる71年作、卓越したコーラス・ワークが彩る逸品

ギターとKey奏者のRuffin兄弟を中心とするアメリカのグループ。アメリカ初のロック・オペラと言われる71年作で、オリジナルは2枚組でリリースされた大作。CS&Nばりの美しく伸びやかな三声（四声）ハーモニーがまず印象的で、コーラス・ワークの素晴らしさはほぼ無名のグループとは思えません。アンサンブルも特筆で、アコースティック・ギターにピアノやオルガンが優美に彩るフォーク・ロックを基調に、ブルージーなタメの効いたギターによるハード・エッジな曲、気怠く幻想的な曲、カントリー・フレイヴァーな曲、「青い影」ばりのクラシカルなオルガンが胸に響くバラードなどを交えながら、流れるように展開。楽曲よく、コーラスも素晴らしく、「ロック・オペラ」という話題性もありながら、なぜ埋もれてしまったのか。ジャケットがもっと良ければ！ハーモニー豊かなフォーク・ロックのファン、キャパビリティ・ブラウンやハドソン・フォードあたりの英ニッチ・ポップのファンは必聴といえる逸品。

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