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74年作の6th。ジョニと言えばオープン・チューニングのギターによる自由自在のコード進行とその上を軽やかに舞うようなメロディが持ち味。デビューからのギターやピアノの弾き語りスタイルでも充分に色彩に溢れていましたが、本作では、西海岸のトップ・フュージョン系ミュージシャンを起用し、孤高でいてたおやかな、一層色彩感覚が研ぎ澄まされた鮮やかなサウンドを聴かせています。それにしてもジョニが描く奔放な音楽にカチっと流麗なフレーズで彩るバックの演奏陣は見事の一言。ディランのフォーク・ロック化と同じぐらい革命的ともの言える、フォークとジャズが手を取り合った傑作です。
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レビュアー:たすけさん レビューをすべて見る
彼女の録音盤の中でも「ブルー」「ヒジュラ」と並び、三強と呼びたいです。ジャズ指向になったと言うより、ジャズのアレンジやコードを合せてみたら彼女の音世界にしっくりきた、というところでないのか、と。電化しているのはベースとキーボード、若干のギター程度でほとんどアクースティック世界です。中でもフルート、木管を使ったアレンジが新鮮。豪華なゲスト・プレイヤー、バックグラウンド・ボーカルの中に埋没することなく彼女の声が響きます。
わたしは彼女の曲づくりは声と詞を的確にリスナーに届けるためにあると思っていて、独自なリズムで歌われる声の綺麗なこと比類ありません。ほかの人が歌ったらただの早口になってしまいそうです。
ふくよかな豊かさがあって、しかも乾いているのがジョニ・ミッチェルの特徴です。自身の恋愛、または失恋の曲でも映画のワンシーンのように綺麗に切り取られていて、リスナーの情感に訴えたりしません。そこが長く聴き続けても疲れない理由です。自分の話で恐縮ですが、わたしは学生時代に無理やりジョニ・ミッチェルを聴かされました。彼女のことを知らなかったわたしに、先輩が大量のレコードを持ってきてくれたのです。それ以来つかず離れず彼女の音楽を聴き続けています。こんな経験でもしなければ出会わなかった人であると思うので、先輩にはとても感謝しています。