カケハシ・レコード

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自由への叫び

アレア

評価:51件のレビュー

在庫あり : 13時までのご注文は当日発送

POCE1156 【07年発売CD】

紙ジャケット仕様、07年オリジナル・リマスター音源使用、内袋付仕様、拳銃型カード付き仕様、定価2800+税。

950円 (税込1045円)

帯【無】 解説【有】

盤質: | 無傷〜傷少なめ | 傷あり | 傷多め

状態: | 良好 | | 不良 |

【査定担当者からのメモ】
帯無、色褪せあり

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カケレコ・レビュー

イタリア、地中海/中近東的エキゾチズムと超絶ヴォーカルを擁する熱量ほとばしる演奏が融合した、まさしく唯一無二のジャズ・ロック、衝撃の73年作1st!

強靭な声帯の持ち主であるDemetrio Stratosを中心に結成され、超絶的なテクニカルさとバルカン独特の叙情香る、イタリアのプログレッシブ・ロックシーンを代表するジャズ・ロックグループの73年デビューアルバム。その内容は地中海ロックとでも言うようなエキゾチックさを全面に押し出したテンションの高いジャズ・ロックであり、複雑なユニゾンと奔放なインタープレイが交錯するテクニカルなものです。特にバタバタと力強く躍動するドラムとKING CRIMSONのMel Collinsを髣髴とさせるテクニカルなサックス、そしてDemetrio Stratosの図太いボーカルが抜きん出て目立つパワフルな名盤となっています。

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レビュー一覧

評価:5寓意に満ちた告発(6 拍手)

レビュアー:たすけさん レビューをすべて見る

アレアは、超人的ボーカリゼーションや並外れた直感と演奏力を誇る一方で、常に人間性の抑圧や人間の愚かさに目を向けたグループでした。テーマの深刻さと裏腹に、音楽は明るく強靭。彼らは自分たちを「ポップ」であると標榜していたのですが、これは「万人受けする」という意味ではなく、「開かれている」という意味ではなかったのかとわたしは考えています。

歌詞を書き、テーマを提出していたのはデメトリオ・ストラトスだったと思います。曲のモチーフにはバルカン、アラビアなどヨーロッパ周縁部の史実、民謡がよく引用されています。歴史上の全体主義への批判は比喩であって、本丸は拡大する商業主義と個人の抑圧についての批判だったと思います。政治や社会への繊細すぎるほどの感受性を持っていました。

Luglio, Agosto, Settembre (Nero)の歌詞は、72年にパレスティナ過激派「黒い9月」が引き起こしたオリンピック選手殺害・人質占拠事件。この事件で、人質となったイスラエルの選手たちは警察の武力強行策により命を落とすことになるのですが、アレアの歌詞は、どちらが悪い、というようなものではありません。人道的配慮より国策を優先した政治に対する批判であると思われます。アラビア語の女性のモノローグは平和を希求する内容。メロディーはブルガリア民謡を借用しているそうです。

Arbeit Macht Freiでは、全体主義により搾取される労働者がテーマになっています。アウシュビッツのことを具体的に曲にしているわけではありません。カバーにある、拘束された人形が労働者の象徴であり、カバー裏にあるハンマーと鎌はコミュニズムの象徴でもあります。Consapevolezzaは、「エレベーターから降りろ」と繰り返される抽象性の強い歌詞です。人間性は常に不自由と共にある。その醜い現実に向き合うだろう、と絶望感を突き付けられます。

ナイスレビューですね!

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