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ブリティッシュ・ロックが様々なジャンルに分かれる以前、一体となって進歩していた70年代初期に、看板ヴォーカリストのロジャー・チャップマンのアクの強い熱唱と、フルート、ヴァイオリン、オルガンを効かせ、ジャズ、ブルース、クラシカルな要素を交えた原プログレッシヴ・ロック的なサウンドを早くに確立したバンド、ファミリー。彼等の最も多彩でプログレッシヴな音楽性を展開していた名作(レーベルインフォより)
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レビュアー:たすけさん レビューをすべて見る
災害に見舞われるといつも思うことがあります。職場から自宅まで帰るのに10時間かかり(いつもなら10分)、眠るひまもなく翌日出勤し(今度は徒歩で90分)、出勤したら被災者支援で徹夜勤務を命じられる。徹夜勤務なのに、最中に病院から入院している親族の危篤連絡が入る。どうしろと言うのじゃ。いわく行政は何しているだの、教訓が活かされていないだの、北海道はもっと上手くやる、だの。だったら被災当事者になってみろや。なったこともないくせに…。やっと家に帰ってきました。風呂に入り、音楽を聴くために。
マイク・チャプマン以外は、何種類もの楽器をメンバーが担当するとんでもない盤です。ファミリーの魅力は、おそらく英国ビギナーの人には理解できないでしょう。ジェスロ・タルやトラフィックみたく、微妙なアンサンブルの組み合わせにかゆい背中をくすぐられ続ける快さがあるのがファミリーです。くすぐられ続けていると最後にヘビー・ブルーズの「ソング・フォー・ミー」がやってきます。やっている音楽は徹底的に下世話。この卑しさと気高さが入り混じった音に耳を委ねていると、持っている不条理感が溶けていきます。
音楽なんて災害には何の役にも立ちません。やることがないと思って、災害ニュースのコメントなんて読まなければよかった。ファミリーを聴いて、くだらない第三者コメントの毒が溶けていきました。2022.12.22