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後にTHE SPIDERS FROM MARSに参加することとなるDave Blockが在籍したグループであり、非常にポピュラリティーのある楽曲とプログレッシブな感性を絶妙に同居させた稀有の音楽性で名盤を作り上げたイギリスのプログレッシブ・ポップ・ロックグループの75年作。その音楽的な骨格はプログレッシブ・ロック版THE BEATLESなどと言われる通りキャッチーなポップ・ロック・サウンドですが、プログレッシブ・ロックとしての旨みはDave Blockのワイルドなギター、そしてキーボードのJohn Cookによるオルガン、メロトロンの洪水にあると言えるでしょう。適度に英国然とした湿り気と叙情を帯びている点も魅力的であり、プログレッシブとポップという相容れにくい要素の融合を果たした名盤です。
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レビュアー:たすけさん レビューをすべて見る
大晦日前に大掃除をして、まだ年越しには早いし、何か自分にご褒美を、という時間に最適なアルバムを。(ちょっと無理くりです。)しかし、わたしはこの偉大な音を聴くにつれ、音楽からご褒美をいただいているような敬虔な思いにとらわれるんです。75年にリリースされておりますけれど、当時の音楽雑誌にはケストレルに関する記述を見たことがありません。今でこそプログレ必須盤なのでしょうが、そんなものです。むしろ時代を超える途切れないメロディの洪水がこのアルバムの価値です。
エソテリック盤のライナーによれば、レーベルも担当者もこのタイプの音に無理解で、ツアーをしたこともないとか。イエスやジェネシスのオープニング・アクトがケストレルの唯一のプロモーションだったそうです。そればかりか、一世一代に歌い上げるボーカルが実はキーボード・プレイヤーだとか、キーボードはケストレルのファンの一人が加入して務めているとか、書いてあります。キース・ムーンがフーに加入した逸話にそっくりです。
プログレッシブ・ロックのプロのリスナーのかたが初めて聞いたら、しばらく他のバンドが聴けなくなるぐらいの衝撃度合いだと思います。特に「アクロバット」が。ギターのデイブ・ブラックが曲を書いていまして、わかりやすいメロなのに全然手垢にまみれていません。何度聴いても新鮮なばかりか、そのまま歌い続けて風呂に入って出てきてもまだ歌い続けてしまう始末です。またギターもベースも味があっていいのです。最後の曲では巨大なメロトロンが突如立ち上がり、一世一代のブラックのギター・ソロです。この破壊力、カタルシス。安心して新年を迎えることができるでしょう。
レビュアー:yes_90125さん レビューをすべて見る
KESTRELの唯一作で、プログレ・ポップの名作・・・と書き始めてふと思ったのだが、このメロディアスで親しみのあるサウンドと優しいヴォーカルの声質を考えれば、「プログレ」の冠を外して、単純に「名作」と呼んでいいのではないだろうか。
75年はプログレ・バンドがデビューするには遅すぎたけれど、今聴いても耳馴染みの良いメロディを書き上げたこのバンドが、何故この1作品のみで終わってしまったのかとても不思議。
そこには、メンバーの引き抜きなどの理由もあり活動期間は短かったようだが、タイミングが悪かったとしか思えない。
このふざけたジャケットも一因なのかもしれないけれど・・・。
ある時期まで再発されることもなく完全に忘れ去られてしまい、一時期は高額で取引されるコレクターズ・アイテムになっていたようだが、あらためて聴き直してみるとそれも納得がいく完成度だ。
しっかりとオリジナリティもあるし、メロディアスなサウンドに酔いしれていると、突然プログレ・モードで入ってくるオルガンやギターもカッコいい。
リズム隊もしっかりしているし、返す返すも1作で終わってしまったのが惜しい。
敢えておススメ曲を選ぶならば、メロディはもちろんコーラスも美しい1曲目と、初期クリムゾンさえも思わせるメロトロンが流れ出すラストだろうか。
まぁ、捨て曲はないのだが・・・。