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タイ・フォンのキーボード奏者が結成したフレンチ・シンフォニック・ロック・バンド、77年の唯一作。ジャケットのイメージ通りのほの暗いスペーシーなトーンで鳴るシンセ。繊細なタッチとサステインの効いた幻想的なトーンが魅力のメロディアスなリード・ギター。そんなシンセとギターを中心とするスペーシーかつ幻想的なパートを軸に、アコギの軽やかなバッキングとパーカッションをフィーチャーしたP.F.M.「セレブレーション」ばりに躍動するパート、クラシカルなアコギの爪弾きと格調高いピアノによる「春」を想わせるパート、マリンバをフィーチャーしたドリーミーなパートをはさむなど、イマジネーションがめくるめくアンサンブルが持ち味です。独特な音の色彩感覚はいかにもフランス。ゲスト・ヴォーカルとして、タイ・フォンのKhanh Mai、Tai Sinh、Jean-Jacques Goldmanが参加しているのも特筆で、壮麗な多声コーラスも聴きどころ。フランスらしい魅力に溢れたシンフォニック・ロック傑作です。
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レビュアー:ike333さん レビューをすべて見る
最近、フレンチロックのCD化が徐々に進みつつあり、Alpha Ralphaもいつ出るだろうかと思っていました。タイ・フォンと同様にメジャーなワーナーからリリースされていたのに何故かこれは忘れられていた感じで、「漸く出た」、と感激です。基本的にタイトなシンフォ系インストアルバムではありますが、特筆すべきは、やはり、タイ・フォンのTai、Kahn、J.J.Goldmanがハーモニー及びボイスで参加している点でしょう。Tai、Khanのハーモニーが登場すると、まるでタイ・フォンそのものになってしまうところが、彼らのハーモニーの凄さ。一方、J.J.Goldmanが参加しているB3のMagellanは、どこでvoiceが入っているのか分かりにくくシンセの後ろ側で、加工したようなヴォイスとなっています。もっと前面に出てくれればよかったのにと思います。タイ・フォン関連故、どうしても本家と比較してしまいがちですが、ツインギターの片方であるClaude Alvarez-Pereyre (g)はMalicorneにも参加していた様ですし、Francois Breantも参加しているなど、かなり強者集団によって作られたアルバムです。久しぶりに本作を聴き通して、ニコニコと笑みが出てしまいました。至福の時を過ごせました。