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BOB SEGER & THE SILVER BULLET BAND
飛び上がろうとしては失速していたシーガーを、大気圏外に吹き飛ばした快作レコード。以後、ロックンロール・ゴッド・ファーザーとして彼は君臨することになります。この時期わたしは3か月に一度購入していたML誌350円を離れ、RO誌280円を毎月買うようになっていました。たしか裏表紙が東芝EMIの全面広告だったです。このレコードが大々的にプロモーションされていたことを、今思い出しました。曲の「ナイト・ムーブズ」は、書くのに半年かかったそうです。若かりしシーガーが、友人の恋人に横恋慕していた時期のことをテーマにしていて、実は初期の曲づくりは、全部彼女のためだったのだとか。泣けるような笑えるような話です。
よいレコードは、シンプルな印象を与えるものかも知れません。例えば「ジョンの魂」のように。音数が少なくて心細くなるような有様なのですが、声とリズムが骨太なのです。これは心にすっと入ってきます。「ファイア・ダウン・ビロー」からはボール・コゾフの味わいを、「サンバースト」からはジョン・レノンの味わいを、「サンスポット」からはマーク・ボランの味わいを感じます。ロックンロールのコンビニエンス店舗状態なのです。
最後の「マリー・ルー」が、わたしの大好きな音頭です。このビートを定期的にやってくれるシーガー。ありがたいです。2024.05.21