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1090円 (税込1199円)
盤質: | 無傷〜傷少なめ | 傷あり | 傷多め
状態: | 良好 | 並 | 不良 |
【査定担当者からのメモ】
スレあり、側面部に色褪せあり
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レビュアー:ほにょさん レビューをすべて見る
「今回のツアーでは今までに行ったことのなかった国にもたくさん行っている。行く先々でいろいろな人達と話をするんだけど、"かつては、あなた方のレコードを持っているのがばれただけで当局に捕まって投獄された。それでもみんな隠れてレコードを聴き続けたんです"そんな話が1ダースほどあるよ。僕らの音楽は僕らの手を離れて、多くの人々の人生の一部になっているんだ」
ELPとして最後の来日を果たしたときのグレグ・レイクの言葉だ。ELP史上初のポーランド・ワルシャワ公演を収録した本作は、それを証明するかのような傑作ライヴ盤である。なにしろ、グレグの話したような状況の中でELPを、ロックを、自由を渇望してきた東欧の人々の前に、本物のエマーソン、レイク&パーマーが現れたのだから。だから本作の主人公はお客さんである。思えば、同時期に実現したジェネシスのワルシャワ公演も名演であった。ドラムのニール・Zが故郷に錦を飾ったライヴだったし、少なくともレイ・ウィルソンにシニカルな嫌味を言っては悦に入るような輩はいなかった。
そして根っからのショウマンであるが故に、そんなお客さんを前にした以上燃えずにはいられないのがこの三人なのだ。中でもカール・パーマーのプレイが冴え渡っており、ブックレットの写真の多さでも観客に与えたインパクトの強さがわかる。そして腕の手術で演奏家としてのキャリアを絶望視されていたキース・エマーソンがメキメキと復活を遂げていることに、発売当時に聴いていて思わず涙にむせばずにはいられなかった。キースとグレグは天国でもあまり仲良くはないかもしれないけど、「この時のワルシャワはいい夜だった」という点では意見が合うのではないだろうか。
と同時に、グレグが先述のインタビューに答えていた来日ツアーの最終日、埼玉北浦和公演に列した一人としてこれぐらいの熱さでバンドを迎えられなかったことを深く後悔し、頭を垂れたのだった。あの体裁を取り繕っているだけのようなステージを作ったのは……。