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ドイツとスイスとの国境近くにあるフランス東部にある町モンベリアルにて1970年に結成されたグループ。72年の唯一作。ビートルズなど英ビート・ポップのほか、米西海岸のサイケデリック・ロック・ムーヴメントや、バッハ/ベートーヴェン/ドビュッシーなどクラシックの影響の元でサウンドが練られたようで、なるほど、シド・バレット期のピンク・フロイドをアンニュイにして、バロック調のオルガンを入れ、英アンダーグラウンド・サイケのジュライのようなローファイ感もまぶしたような、そんな印象派サイケ・ポップと言えるような、もやに包まれたサウンドが印象的です。ファルセットを中心としたナイーヴなフランス語によるヴォーカルと幻想性たっぷりな多声コーラスも素晴らしい。ベースがゴリゴリと走るハードな曲は、英クレシダやグレイシャスあたりも頭に浮かびます。フランスの片田舎らしい、神聖ローマ帝国の伯領時代の面影が残るような、気品と優美さに包まれた愛らしい名品です。
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レビュアー:ike333さん レビューをすべて見る
ようやく、よくぞCD化してくれた感の強いフレンチロックファン向け外せない一枚だと思います。Ange初期の様な浮遊感のあるオルガンが中心のロックで、フランス語のコーラスもきれい。異次元にスリップして、中世の教会都市に迷い込んでしまったような錯覚を覚えます。このグループはSonopresse Connectionというマイナーなレーベルから本アルバムと、アルバム未収録のシングル(Aux Portes Des Villes)を出しています。こちらは中世の騎士が教会都市に乗り込んできたようなイメージをさせてくれるテクニカルな楽曲で、できれば、このシングルもボートラに入れてくれたらよかったのにとは思いますが、本CD(LPアルバムからの収録のみ)で味わえる神々しい中世的な夢世界でも十分過ぎるもの。他国のロックでは味わえないし、また、フランスでもAnge初期(1,2作目あたり)やMahjunの3作目ぐらいしか思いつかず、とても稀有な存在だと思います。