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カケレコ・レビュー

ASSOCIATIONに加入するArt JohnsonやRichard Thompsonほか西海岸ジャズメンらが結成したグループの70年唯一作、ソフトなサイケ色を纏ったジャズ・ポップスの逸品！

のちにASSOCIATIONに加入するジャズ畑のギタリストArt JohnsonとキーボーディストRichard Thompson、ハンガリー出身ジャズ・ギタリストGabor Szabo率いるセクステットに在籍したパーカッショニストHal GordonとベーシストLouis Kabok、そして米ジャズ・ベーシスト/シタール奏者Bill PlummerのグループThe Cosmic Brotherhoodに在籍したヴィブラフォン奏者Lynn Blessingなど、アメリカ西海岸シーンのジャズ・ミュージシャンらによるグループが残した70年の唯一作。オーソドックスなジャズギターを基調としながらも随所でファズを効かせた荒々しいプレイが飛び出すギターと、舞うような気品ある音運びのヴィブラフォンを中心に展開される、ソフトなサイケ色を纏ったジャズ・ポップス。オルガン、チェロ、ハーモニカなども導入した、70年の作品ながらも60年代後半っぽい空気が充満したサウンドに、時おり西海岸産らしい爽やかな涼風を感じさせる音色が混じってくるのが印象的です。ジャズ・ロックと言うには音にポップス寄りのまろやかさがありますが、さすが歴戦のジャズメンだけあって音数多くも芳醇な演奏には耳を奪われます。アレンジ面でどこか地に足付かない不思議な浮遊感があり、そんな部分もまた魅力的。レイト60'sの米ポップ・ファンや同時期の英サイケ・ポップのファンにも響きそうな一枚。