カケレコ・レビュー

90年代以降にヴィンテージな伊プログレ新鋭バンドGERMINALEを率いたMarco Masoniによる2014年作ソロ

94年にデビューし、05年までに4枚を残したイタリアン・プログレ新鋭バンドGERMINALEを率いるMarco Masoniによる2014年作ソロ。内ジャケには彼がアコギやリッケンバッカーのベースを持つ姿が映っていますが、その後ろには、彼がリスペクトしている作品なのか、フォルムラ・トレ『1st』、ゴブリン『ローラー〜』、ソフト・マシーン『1st』、FINISTERRE、STANDARTEなどのLPが飾られています。サウンドもまさにその内ジャケのイメージ通りで、陽光溢れるポップなオープニング・ナンバー、ピンク・フロイドのメロディアスな曲を彷彿させる内省的な2曲目、ハモンド・オルガンとフルートが荒々しくウネリを上げるフォルムラ・トレばりの3曲目など、60年代〜70年代のサイケデリック・ロック〜プログレからの愛情とともに、歌心に溢れたイタリアらしい歌ものプログレが印象的。アナログなサウンドの質感も印象的で、まるで、フォルムラ・トレのメンバーがバックをつとめた70年代のカンタウトーレの発掘盤、という趣。愛すべき好作品です。

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