カケレコ・レビュー

90年代以降の米ロック・シーンを代表する天才ギタリスト、デレク・トラックス率いるルーツ・ロック・バンド、06年リリースの傑作

オールマン・ブラザーズ・バンドのオリジナル・メンバー、ブッチ・トラックス（ds）の甥で、1999年からはオールマンにも加入した天才ギタリスト、デレク・トラックス（デレクという名はデレク＆ザ・ドミノスから）が94年に結成したグループ。06年作。オープニング・ナンバーのイントロから、デュアン・オールマンのDNAを受け継いだ豪快かつ繊細なタッチのスライド・ギターが炸裂。フィンガーピッキングも軽やかなバッキングとグワンと切れ込むスライド・ギターとの表現の幅が生むダイナミズム。『いとしのレイラ』のあの2人にも引けをとらない感性とテクニックが光ります。バックの演奏もコクに溢れていて、ソウルフルかつエモーショナルなヴォーカル、ブルースやジャズからワールドミュージックまで溶け出した濃密なアンサンブルは特筆もの。ブルース・ロック〜サザン・ロック〜ライ・クーダーによるワールド・ミュージックとのブレンド。そんなギタリストによるルーツ・ミュージック探求の2006年時点の最高作と言える傑作です。

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