カケレコ・レビュー

81年作とは思えない70年代初期のプライヴェートプレス盤のようなドリーミーかつ牧歌的な米フォーク/SSW逸品

米中西部は五大湖沿岸のウィスコンシン州で活動していたSSW。81年の唯一作。まずイマジネーション豊かなジャケに弾かれますが、音もジャケのイメージ通りで、80年代の作品とは思えない、70年代初期のプライヴェート・プレス盤のような雰囲気に包まれています。アコギのストロークにパーカッションがからむアンサンブルは、牧歌性とアシッド臭とが絶妙にバランス。曲によりペンタングル的な繊細な爪弾きやルーラルなバンジョーなどもフィーチャーして、オープニングからラスト曲までたゆたうようにメロディとアンサンブルが紡がれていきます。ドリーミーでいて親しみやすい男性ヴォーカル、時折コーラスをつける澄んだ歌声の女性ヴォーカル、スッと心に染みる美しくも素朴なメロディも特筆。ジャケに惹かれたフォーク/アシッド・フォークのファンは是非一聴を。

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