カケレコ・レビュー

80年代に活躍した英国プログレッシブ・ロック・グループ、復活後の12年作

80年代後半に活躍し、ポンプ色やNW色を含んだ独自のプログレ・ハードを聴かせた英プログレ・グループ。オリジナル・メンバーのJohn Beck(key)とBob Dalton(dr)に、ARENAやFROST*で知られるJohn Mitchell(g/vo/etc.)、Rick Wakemanとも活動するLee Pomeroy(b)を加えた4人編成による12年作。SPOCK'S BEARDあたりに通じるキャッチーな抜けの良さと初期GENESISの英国的翳りを合わせたような、ファンタジックにして肉感的なダイナミズムにも溢れた完成度の高いモダン・プログレを鳴らします。往年を思わせるプログレ・ハード調でパワフルに突き抜けるパートではゴリッとヘヴィなリフを繰り出すギターが活躍し、優美なファンタジーを描くパートでは艶のあるトーンのシンセやヴィンテージ・オルガンが華麗に駆け抜けます。一曲の中で硬軟自在に展開するさすがの楽曲構築センスに唸らされるはず。また全編を通して印象的なのが清涼感たっぷりに湧き上がるコーラスワーク。少しフィル・コリンズを思わせるヴォーカルを瑞々しく彩っていて、ハードなナンバーも心地良い広がりを感じさせてくれます。SPOCK'S BEARD好きは堪らないスケール大きなプログレ・ポップ「Wallflower」「Map Of The Past」、『Foxtrot』に入っていそうな英国臭さ満点の「Meadow And The Stream」あたりは必聴です。もちろん往年と音楽性は変わっているのですが、テクニカルかつキャッチーで親しみやすいプログレというスタンスは不変と言える充実作です！

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曲目リスト

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• Man In The Photograph
• Wallflower
• Map Of The Past
• Clocks
• Flag
• The Big Machine
• Cartoon Graveyard
• Send No Flowers
• Meadow And The Stream
• The Last Escape
• Exit Song
• Midnight (live)
• Bullet In The Barrel (live)
• Kiss Like Judas (live)
• Once Around The World (live)
• This Is England (live)
• All In Red (live)