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レビュアー:たすけさん レビューをすべて見る
パリからは時々とんでもない芸術が出現します。わたしがこのレコードを買って聴いたのが20歳そこそこでした。今まで聴いたことのない音に、いかにポピュラー・ミュージックが約束事で縛られていたのか唖然としました。約束事が悪い、という意味ではありません。約束のコード進行や、理解しやすいメロディが、どれだけ東洋人に洋楽を聴くことを助けているのか、という意味です。ポピュラーから離れて前衛になってしまうと、どうにも身の置き所がないと言いますか、存在感の確かさがなくてふらふらしてきます。メロディや展開がない、また読めない音楽はわたしを不安にします。フォンテーヌは、たぶん天然のパフォーマーなんじゃないかと思っておりまして、彼女の頼りなさがこちらに伝播してきます。
バックを務めるのが新進気鋭の頃のアート・アンサンブル・オブ・シカゴです。短歌という曲が2曲あるとおり、東洋的な抒情も感じますし、アラビアもアフリカもある無国籍ぶりです。とにかく次に何が出てくるのか予測ができません。録音と演奏は素晴らしいので、聴き慣れると音の美しさに慄然としてくるのですが…。どなたにも薦めたいという音楽ではありません。全編にわたる緊張感はものすごいです。2023.03.20