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レビュアー:たすけさん レビューをすべて見る
部屋を暗くして、目をつむって想像してください。71年2月のサンフランシスコ。アポロは14号が月に着陸し、帰還の途についています。ベトナム戦争は泥沼。1月にはフリーがライブを行っています。フィルモアで行われる初めてのアフリカ系アメリカ人パフォーマーによるコンサートで、開催は3日間。つかみはキング・カーティスのバンドが白人ポップを演奏しています。バックは、バーナード・パーディほか凄腕のアフリカ系ミュージシャンたち。スポットライトが当たりアレサ登場。信じられないスピードで「リスペクト」から始まります。コーネル・デュプリーのギターは見事な切れ。アレサのつかみは成功しました。客席が盛り上がっています。
次々と演奏される白人ポップの当時のヒット曲。そのどれもが原曲が誰と感じさせないぐらい、洗練されたアレンジのR&Bに変わっています。聴衆は大喜びです。それにしても素晴らしい声量と音程の確かさをもつ歌手です。こんなに上手い歌い手がこの国にいたのか。「スピリット・インザ・ダーク」の途中でアレサが、客席のレイ・チャールズを発見。「レイ・チャールズ、見つけたわ」躊躇なくステージへ誘うアレサに、レイ・チャールズは頭をかきながら上がっています。即興でアレサの曲を歌い始める彼に、聴衆は大興奮です。
フィルモアは、言わずと知れた白人用のハコ。アレサ側は法外なギャラを要求したそうです。ハコに空席があったら承知しないぞ、との意思表示だったと思います。2022.11.05