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米シンガーソングライターの金字塔。共同体幻想の崩壊とベトナム戦争泥沼化の中、疲弊したアメリカ人の心を柔らかく包んだ傑作。
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レビュアー:たすけさん レビューをすべて見る
「ユーブ・ガッタ・フレンド」の歌詞を聴くとちょっと泣きそう。どんなに落ち込んでも、ひどい境遇でも、わたしの名を呼べば、あなたのドアをすぐノックしに来るわ、という曲です。しかも恋人になってあげる、妻になってあげる、ではないんです。友達になってあげる、と。ここまで優しい女性っていらっしゃるでしょうか。ジョン・レノンの「エニタイム・アット・オール」と全く同じ内容の歌詞なんです。でもジョン・レノンが歌うと、どうせ口説くために言っているんだろう、と思うでしょ。キャロル・キングには、こちらが必要なときに寄り添い、必要なければ遠くで見守っていてくれる、というニュアンスがあります。しかし、これは女性からの究極の求愛なのかな。
テーマは、徹底的にわたしとあなた、です。そこに絶妙の距離感があって、乾いて自立しています。あなたがいなければわたし、生きていけないわ、なんて歌わないんです。男性と女性の関係を歌う名人、ジョニ・ミッチェルと双璧と思うリアルな恋愛観、人間観。このあとの女性作曲歌手の典型になったのがキャロル・キングのこの作であると思います。身に沁み込ませて聴くこともできますし、ハイセンスなBGMとすることもできます。
「(ユー・メイク・ミー・フィール・ライク)ア・ナチュラル・ウーマン」だけがこの時点で既発表曲でしょうか。アレサ・フランクリンに曲を提供している、というだけでも巨大な才能です。2022.08.01