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アイスランドのグループ。70年作の2nd「Undir Ahrifum」と71年作の3rd「Lifun」とをカップリングした2in1CD。1stから女性Voが脱け、フラワー・ムーヴメント的な要素は無くなり、ハードさがグッと増しました。哀愁のメロディーと重厚なハモンドをフューチャーしたメロディアスな大曲「Feel Me」が聴き所。3rdアルバムは、曲間が無く流れるようなロック・オペラ。フォーク・ロック、ハード・ロック、ジャズ、クラシックが混然一体となったアンサンブルはかなりの完成度。彼らの最高傑作。
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レビュアー:kobakunさん レビューをすべて見る
辺境の旅路もいよいよアイスランドへ。それにしても、こんな所にもプログレはあるのだから世界は広い。
2001年、アイスランドで20世紀のアルバム・ベスト100が選ばれましたが、何と本CD収録の3rdがビョークなどに続いて第5位にランクイン。本国での人気の高さが伺えます。と、ここまではプチ情報を。
さて、気になる中身ですが、まず70年の2ndは、1曲目の明るさにはちょっと戸惑いましたが、2曲目以降、哀愁あるメロディーが飛び出し、まずは一安心。辺境くささはなく、英語詩のため(何とアイスランド人の大半は、現地語のほか、英語、デンマーク語が話せるトライリンガルだそうです)この当時のブリティッシュに近い雰囲気です。コーラスもきまっていて、前半は小曲集といった感じ。
ハイライトは10分超の大曲「Feel Me」。荘厳なハモンドに導かれて始まる、哀愁のメロディ炸裂の名曲でこれだけでも聞く価値アリだと思います。
でも、本番はここから。そう、アイスランドの20世紀のアルバム、ベスト5に選ばれた3rd「LIFUN」。
ブリティッシュ・ナイズされた歪んだハモンド全快のハード・プログレで、まさしく最高作といえるでしょう。
アルバム全体がトータルに構成されていながら、メロディアスなため聞きやすく、全く退屈させません。
そして、くすんだ透明感のある曲調が、聞くものをいつしか凍てつく大地へと誘います。
最果ての地アイスランドで、しかも71年という時代に、これだけ完成度の高い作品が作られていたとはまさに奇跡で、そんな作品を簡単にCDで聞ける今の時代に感謝したいと思う今日この頃です。