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Christian Decamps、Francis Decampsを中心に結成され、GENESISを髣髴とさせながらも英国勢とはまた違ったダークでアクの強い演劇性を持ったシアトリカル・ロック、そしてフランス産ならではの美意識を武器に名盤を送り出した重要グループの75年4th。語り部の老人の伝説をコンセプトに製作された本作は、録音のクリアさもあってか前作から比べてバンドとしてのダイナミズムが増しており、その音楽性も前作の重々しいシアトリアル・ロックから、明快且つ叙情的なシンフォニック・サウンドへの移行が見られます。とは言っても、Christian Decampsのアクの強いボーカルは健在であり、やはり個性的な1枚といえるでしょう。
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レビュアー:たすけさん レビューをすべて見る
「デリーレ」や「ギュエ・アペン」に比べれば、暗黒さもドラマも控えめで、牧歌的と評されてもいます。エミール・ジャコティという70歳の農家のお爺さんにメンバーが実際にインタビューして、語られた伝承をもとに曲づくりをすすめたそうです。エミール爺さんの話が面白かったんでしょう。爺さんの語りが曲間で現れて話をつないでいきます。曲は彼らにしたら親しみやすいです。ハードな輪郭のギターが随所に出てきて、それだけでハードロック患者を喜ばせます。
ビートルズが「64歳になっても」と歌ったとき、遠い未来の話と思っていましたし、高齢をテーマにしたロックの楽曲も今いちピンと来ていませんでした。それが恐ろしい速度で現実になってきました。とにかく時間がほしい。ささやかなんです。天気のよい日に畑に出て、雨の日は好きな音楽や映画と接していたいだけ。そんな愉しみがいつになっても来ません。相変わらず会社にこき使われていて、年金を早めに受給する度胸もありません。エミールさんは88歳まで生きたそうです。そんなに生きなくてもいいから、今時間がほしいのだよ。体がきくうちに。2024.09.25