カケレコ・レビュー

64年結成、チェコのみならず東欧を代表するジャズ・ロック・グループ、23年作！

1964年、チェコのプラハでキーボーディストのMartin Kratochvilを中心にJAZZ Q PRAHAとして活動を開始し、70年にBLUE EFFECTとの連名(BLUE EFFECT & JAZZ Q PRAHA)でアルバム『Coniunctio』を発表。その後、70年代から80年代にかけて名義を変えつつ7作品を世に送り出した同国の最重要ジャズ・ロック・グループによる2023年作。JAZZ Qは2013年におよそ30年ぶりとなる復活作『Znovu』を発表しプログレ・シーンに返り咲きましたが、本作『Ritual』は『Znovu』から数えて5作目です。メンバーは、キーボーディストMartin Kratochvil、70年代〜80年代当時のJAZZ Qにも在籍していたベーシストPremysl Faukner、ジャズ・ロック・バンドIMPULSEのメンバーとして77年に唯一作『Impulse』をリリースしたギタリストZdenek Fiser、そして2016年作『Talisman』から参加しているドラマーFilip Jenieekの4人編成。その内容は、じっくりと聴き入ることができるジャズ・ロック・フュージョンであり、ベテラン・ミュージシャンたちの貫禄と余裕を感じさせる素晴らしい演奏が収められています。さすがに70年代当時のようなスリリングな楽曲展開やテンションの高いプレイ・スタイルは少なくなり、多くのゲストを招くような音色の拡張もありませんが、オーソドックスな4ピース・バンドだからこそ各メンバーの表情豊かなプレイがダイレクトに伝わってきます。また、余計な装飾に頼らないサウンドだからこそ、Martin Kratochvilの作曲能力が全く衰えていないことも分かるでしょう。当時の彼らの作品たちと併せて、チェックしておきたい好盤です！

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