カケレコ・レビュー

ハンガリーを代表するグループ、デビュー以前66〜68年のシングル曲をまとめた22年リリース作品

62年に結成、名実ともにハンガリーを象徴するグループと言える彼らが、1stアルバム以前の66〜68年に残したシングル曲をまとめた22年編集盤。前半はデビュー・シングルの「Pain It Black」「Bus Stop」を筆頭に、Dave Dee〜「Bend It!」、Screamin' Jay Hawkins「I Put a Spell On You」、Heman's Hermits「No Milk Today」など英米ポップスの英語カバーが並びます。中でも哀愁いっぱいに歌い上げるヴォーカルとスリリングなオルガンワークが印象的な「I Put a Spell on You」は素晴らしい出来栄えとなっており聴きモノです。後半は彼ら作曲のシングル曲集で、ビートルズや英ビート・ポップを手本にしたサウンドをハープシコード、フルート、サックス、トランペット、マンドリンなど多彩な楽器を用いてキャッチーに聴かせます。オリジナル曲は全てハンガリー語で歌われており、英ポップ譲りのサウンドがほのかにエキゾチックな空気を纏っていてこれがなかなか良い味わい。聴き進めるにつれてバンドの演奏力やアレンジ力が上がっていくのが分かり、アンサンブルの密度や音作りの凝り具合もアップしていき興味深いところです。アルバム・デビューに至るまでの彼らの軌跡を知るにはこれ以上ない音源集！

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