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スウェーデン出身、79年のシンフォ名盤『Bla Vardag』で知られるATLASのギタリスト/マルチ・プレイヤーJanne Perssonが結成したグループの82年唯一作。これはなかなかユニークなバンドです。アコギとフルートによるメランコリックなインストで幕開け。ロマンティックな演奏にうっとりしていると2曲目、タイトで活きの良いドラムとリッケンバッカーと思われるブンブン唸るベースが力強くリズムを刻み始め、ギターとフルートが温かいトーンでメロディアスに疾走する、手本であろうCAMELにも肉薄するファンタスティック・プログレを繰り出してきてテンションが上がります。唐突にドラムソロが挿入されたりするのも面白い。よしこの調子で行くのかと思いきや、続く3曲目はピアノの響きがあまりに美しいかなり本格派のアンビエント調ナンバーで、前曲との振れ幅に驚かされます。そして4曲目はアコギにパーカスとヴァイオリンが絡む素朴でちょっぴりアンニュイな弾き語り。後半はジャジーなテイストも交えつつ、こんな調子で終始自由奔放に聴かせていて、これは一筋縄では行きません。でもアルバムで通底しているのが、雪が降りしきる中を一人佇むような物寂しい空気。そのあたりはやはり北欧ならではの味わいと言えます。それにしてもシンフォ、ジャズ/フュージョン、アンビエントまでをこの高水準で行き来してしまう高度な音楽性とテクニックは恐るべしです。マイナー盤にしておくには惜しい力作!
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