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イギリス領ジャージー島にて結成され陰影溢れるブリティッシュ・ロック名盤の72年唯一作を残したPARLOUR BANDが、ドラマー変更に伴いバンド名を"A Band Called O"と変更。74年デビュー作に続く75年の2ndアルバム。基本的には前作と路線を同じくするファンク・テイスト濃厚なサウンドを楽しませてくれます。緩急に富んだプレイをタイトに決めるリズム隊を土台に、キレのあるカッティングが持ち味のギター、洒脱なエレピ、芳醇に湧き上がるオルガン、S.マリオットを低音寄りに聴き易くしたようなヴォーカルらが、一糸乱れぬアンサンブルで駆け抜けるスタイルは揺るぎなし。また前作でも発揮されていたモダン・ポップ〜AOR的な洗練されたセンスも随所で顔を出していて、SMOKIEあたりの渋いところを意識したような哀愁モダン・ポップ、SAD CAFE風のスリリングな演奏が聴きもののプログレ風AORナンバー、さらに終盤にはGREASE BANDばりの旨味たっぷりなブリティッシュ・スワンプも飛び出して、その多彩さには舌を巻くこと必至。前作が気に入ったなら、本作もまず間違いなし!
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レビュアー:たすけさん レビューをすべて見る
このアルバムがCD、しかもリマスター音源で聴けることが何よりの幸せです。実は盤おこしの音源が以前海外のサイトで提供されていて、曲の良さはわかってもそんなに聴く音ではなかったのです。こうして丁寧にCDになった音を聴くと、聞き惚れるばかり。セカンドが彼らにとって最高作なのではないかとの思いも抱いているところです。ファンクやトラッド、ラテン、ビート・ポップといったジャンルを横断しながら彼らの演奏は進みます。サード「ウィズイン・リーチ」フォース「ナイフ」に比べて、明るさではファースト、セカンドのほうです。
歌が上手く、声に色気があることがこれほど有利なのか。ピックスの声には華があり、そんなことを感じさせます。加えてビートはファンキー、ギターやキーボードの小技は名人と呼べるほど。サウンドのどこを聴いても穴がない気がします。彼のお手本を、ずっとサザン・ロックであると思い込んでおりましたが、スティーリー・ダン、リトル・フィートの線なのかも知れません。
ピーター・バラカン氏がバンド・コールド・オーを知っているかどうか。バラカン氏ならおそらくプッシュしてくる音です。これでめでたくパーラー・バンド、バンド・コールド・オーの公式音源が全部CDになりました。(「ウィズイン・リーチ」「ナイフ」がこの頃入手できなくなっておりますが。)10.Some People の後半部を聴きながら、死に際にかけてくれと家族に遺言しようかと思いました。