カケレコ・レビュー

Jordi Sabates率いるスペインのフリー・ジャズ・グループ、71年作1st、マイルス・バンドにも比肩する傑作

スペインはバルセロナ出身のフリー・ジャズ/ジャズ・ロック・グループによる72年作の2nd。中心人物はピアニストのJordi Sabatesで、60年代にPIC-NICというポップ・バンドで活躍し、70年代はじめにはギタリストのToti Solerとともにスペインのジャズ・ロック・シーンの祖を築いたとも言われる名グループOMを結成したことで知られるピアニスト。彼がOMとほぼ同時期に活動していたバンドがJARKAで、ロック色が強いOMに対し、流麗さとテンションが同居したジャズ寄りのサウンドが特徴。OMの唯一作にも参加しているリズム隊が生み出すシャープかつしなやかでいてタイトなリズムを土台に、ゲスト参加した盟友ギタリストToti SolerとOMの唯一作やJordi Sabatesのソロ作へも参加しているギタリストRichard Sabatesがリズムにリードに切れ味するどいフレーズを奏で、その上をJordi Sabatesのピアノやフェンダー・ローズが鍵盤の上を舞うようにイマジネーション豊かに躍動。マイルス・バンド『ビッチェズ・ブリュー』ばりのアヴァンギャルドでテンションみなぎるエレクトリック・ジャズから、淡いトーンのオルガンやサックスをフィーチャーしたソフト・マシーンを彷彿させるジャズ・ロックまで、どの曲もダイナミックかつ一糸乱れぬ精緻なアンサンブルが絶品です。マイルス・バンドやカンタベリーのファンは必聴と言える傑作！

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