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カケレコ・レビュー
米シンフォ・バンドによる17年デビュー作、ジェネシスの叙情美、ELPのパワフルさ、GGのスリリングで先の読めない構築性などを織り込んだ、メロディアスで爽やかなモダン・シンフォの逸品！
アメリカ出身シンフォニック・ロック・バンドによる17年デビュー作。息を飲むようにファンタジックなピアノの独奏で幕を開け、そこから一気にELPばりのアグレッシヴにうねるシンセ＆デリケートなハケット調をやや重心低くヘヴィにしたようなギターが疾走を始める華麗なオープニングから耳を奪われます。特に中心メンバーであるキーボーディストのプレイは豪快かつ技巧的で、まさにキース・エマーソンばりと言っていい逸材。疾走感あるオルガンはカッコいいし、幻想美をどこまでも広げるメロトロンの使い方も見事です。またこのキーボーディスト、美声と歌の巧さを合わせ持った伸びやかなヴォーカルも兼任していて、アコースティックなパートも随所に設けた瑞々しいサウンドに抜群に映えています。ジェネシスの叙情美、ELPのパワフルさ、ジェントル・ジャイアントのスリリングで先の読めない構築性などを織り込んで、爽やかなモダン・シンフォニックな音像によって練り上げたサウンドはかなりのハイクオリティ。テクニカルで演奏の緩急も頻繁に変化するのですが、込み入った複雑な印象はなく、おおらかでスケール大きく展開する、プログレらしさとメロディアスな聴きやすさのバランス感覚が大変優れているのが素晴らしい。これは期待の新鋭！
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