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スイス屈指のハード・ロック・バンドによる71年のデビュー作。ドイツのサイケデリック・ロック・バンドBRAINTICKETで活動していたベースのWerner FrohlichとドラムのCosimo Lampisを軸に、英サイケ/スペース・ロック・バンドHAWKWINDで活動していたギターのVittorio 'Vic' Vergeatが参加してスイスはバーゼルにて70年に結成。ヴォーカルには後にISLANDでも活躍するBenjamin “Beni” Jaegerを起用して制作されたのがこの71年1stアルバム。凶暴に歪んだギターがヘヴィに刻むリフを中心に、ジャック・ブルースばりに暴れまわるベースと、ジョン・ボーナムの重さとジンジャー・ベイカーの手数を合わせたようなドラムが重戦車の如く畳み掛けるアンサンブルは凄まじい音圧。ツェッペリンの重量感、パープルのスピード感とキレ、サバスの凶暴さが合わさった聴き手をなぎ倒さんばかりのハード・ロックをプレイします。ロッド・スチュワートやピーター・フレンチばりのしわがれヴォーカルも魅力的で、アコースティックなパートで聴かせる叙情性もまた一級品。これはスイスのみならずユーロが誇る、と言っても過言ではないハード・ロック傑作!
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レビュアー:たすけさん レビューをすべて見る
プロデューサーは泣く子もだまるマーティン・バーチです。スイス出身ということになっていますが、実際はロンドンで彼らは出会っていそうです。ギターのビットリオ・ベルジャという人が、ヘビーギターを好きで好きで…というミュートなしのだらだら演奏。それをジンジャー・ベイカー、ジャック・ブルースにゼッタイ影響受けているだろうというベース、ドラムズがサポートします。このデビュー作ではベニ・イェガーというボーカリストが良い声を聞かせています。風邪ひいたスティーブ・マリオットという印象でしょうか。セカンド以降では名前がなくなっていること、内ジャケに彼の顔がないことから、最初からゲストだったことが伺い知れます。
この重さは、サー・ロード・ボルチモアやナイト・サン、ハイ・タイドあたりを想像していただくと近いと思います。最初サバス級と書こうと思いましたが、待てよ、もっと重いぞ、と思い直しました。ヘビーロック史に残る1. Cotton Wood Hillが始まると、あまりに強烈なファズ・ギターに「出た出た出たぁ」と声を上げてしまいます。全世界のヘビーロックを聴ききったわけでもありませんが、この盤の重さを上回るレコードは10枚もないんではないですか。
このグループの面白いところは、ロンドンが主戦場であるのに徹底的に欧州人脈にこだわっているところ。サード作なんてイル・ヴォーロのビンチェ・テンペラが協力しています。アルプス山脈を境に出会ったイタリアとドイツという趣で、氷河も解けそうです。