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00年代以降のチェンバー・ロック〜アヴァン・ロックの筆頭格と言えるイタリアのバンド、2016年作のスタジオ盤としては4枚目となるアルバム。アルバムの1秒目からレッドゾーン吹っ切れまくり!いきなりビブラフォンとサックスがユニゾンで切れ込み、ギターがまるでマシンガンのようにザクザクとしたフレーズを叩きつけ、リズム隊が高速変拍子で荒れ狂う。脈絡なくフレーズをぶつけあっているようでいて一糸乱れぬようでもあり、アブストラクトのようでいて緻密に計算されているようで、何という凄まじさ。クリムゾン『太陽と戦慄』やヘンリー・カウやユニヴェル・ゼロなどに一歩も引けを取らない、というか、硬質さとテンションでは凌駕しているといっても過言ではないでしょう。一転して、静謐なパートでの透明感もまた見事だし、カンタベリーに通じる叙情的な「歌」も心に響くし、何という表現力。チェンバー・ロックの大本命バンドによる、リスナーの期待をはるかに凌駕した大傑作!
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レビュアー:yes_90125さん レビューをすべて見る
イタリアのチェンバーロックを代表するYUGEN♪
1曲目の出だしから−極端な言い方をすれば、1音目から−テンションMAX!
管楽器が鳴り響き、変拍子の嵐。
クリムゾンのような攻撃性を併せ持った緊迫感ある演奏に一瞬にして囚われる。
タイトル曲「Death By Water」は、浮遊感のあるアンビエントな曲で、意外だけど結構良い!
そうかと思えば、へヴィーな短い曲「Ten Years After」を挟み、一転してピアノをバックに歌い、メロトロンが導入される5曲目の「As It Was」は物悲しくも美しい。
「As-Matter-Of-Breath」では実験音楽のような展開を聴かせ、「Der Schnee」はオパス・アヴァントラのようなアヴァンギャルド路線!?
そしてラストは叙情的なヴォーカル曲「A House」。
こうして1曲ずつ聴いてみると統一感がないように感じるのだが、通して聴いても全く違和感はない。
素人には、それぞれの楽器がバラバラに音を出しているようにも思えてしまうが、そこはしっかりと計算されているのだろうなぁ。
ラインナップをみると、3人のゲストを含む19人のメンバーが参加している!!
これだけの多彩な音を構築するのは、そう容易いことではないということ。
全10曲、45分程度のアルバムながら、音がぎゅっと詰まっていて、「凄い」という言葉しか出てこない。