カケレコ・レビュー

スコットランド出身のフォーク・バンド、71年デビュー作、気品に満ちた英国フォークの傑作

スコットランド出身のフォーク・バンド。Regal Zonophoneより71年にリリースされたデビュー作。メロディ・ラインは、同じスコットランド出身のSTEALERS WHEELのジェリー・ラファティに通じるような、機微を映し出す陰影が印象的ですが、STEALERS WHEELが干し草の香り漂うのに対して、J.S.D.BANDは、「気品」を感じさせるのが特徴です。とにかく繊細に紡がれるフィドルやチェロやピアノやグロッケンシュピールの静謐な響きがサウンドに格調高さをもたらしています。オープニングを飾る「Country Of The Blind」をはじめとするオリジナル曲の美しさはもちろん、ボブ・ディランのカヴァー「Don't Think Twice It's Alright」が白眉。フィドルとグロッケンシュピールが歌にひっそりと寄り添うアンサンブル、凛としたコーラス・ワーク。ただただ心奪われる最上級のカヴァーです。ジャケットが醸す雰囲気そのままと言える英フォーク屈指の傑作です。

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