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ウクライナ北東部の工業都市ハルキウ出身で、1981年生まれのAntony Kaluginによるプロジェクトで、HOGGWASHやSUNCHILDやGNOMONなど数多くのサイド・プロジェクトをこなす多作家のKaluginが、学生時代の97年から続ける彼の中核となるソロ・プロジェクト。2015年作7thアルバム。ヘヴィさを増した前作とは対照的に、静謐とも言えるサウンドが印象的で、オープニングを飾る28分を超えるタイトル・トラックを聞きながら浮かんだキーワードが「アブストラクトな幻想美」。様々な楽器の色彩豊かな音色が組み合わさりながら、映像喚起的で、幻想性溢れるサウンドを描いていく感じは、フラワー・キングスも彷彿させます。上下動するミニマルなフレーズなどアブストラクトなシンセを背景に、透明感あるエレピ、幻想的なハモンド、柔らかに伸びるムーグ、優美なメロトロンなどが温かな音色を添えて描き出されるキーボード・アンサンブル。そこに、まるでロイネ・ストルトばりに伸びやかに奏でられるエレキ・ギター、そしてバヤンやフルートによるエスニックなフレーズが合わさったサウンドは、ウクライナ生まれのKARFAGENならではの美麗さ、素朴さ、温かみに満ちています。ドラムというより打楽器と言った方が良いニュアンスのリズムにバヤンがゆったりと奏でられる民族音楽的なパート、メロトロンとバヤンとがツイン・リードを聴かせるハートフルなパート、ナイロン・ギター、リコーダー、オーボエによる神秘的なパートなどを織り交ぜるアレンジもまた見事。3曲目でのKaluginのメランコリックなヴォーカルと女性ヴォーカルとのコンビネーションもまた印象的です。デビュー以来のKaluginの音を有機的につなげるセンスがこれでもかと発揮された傑作。デジパック仕様、ボーナス・トラック1曲。
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