2013年11月6日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
タグ: プログレ
気持ちの良い秋の青空が広がるここ埼玉県寄居町。
秩父の山々から紅葉も少しずつ近づいてきていて、そうすると一気にツーンと寒い冬の季節へ。
そんな秋と冬がまじりあった、穏やかでいて透き通った一日にぴったりの作品たちをピックアップいたしましょう。
まずは、こんな美しい歌声を聴きながら、散歩でも。
タイトルは「レインフル」ですが、木漏れ日感もあって本当に愛すべき英フィメール・フォークSSW。声がちょっと平原綾香に似てる?いかが?
まだまだ散歩は続く。管弦楽器がリリカルに彩る、手工芸品のように温かく凛としたアルゼンチン産SSW。
タンゴの感じ、良いな~。
ということで、この作品も。
ハットフィールドやソフト・マシーンがタンゴをやったとしたら?バンドネオンをフィーチャーした南米ジャズ・ロックの名作!
お次はこれ。
ニック・ロウやジョン・レノンからもリスペクトされた英パブ・ロック界のいぶし銀ミュージシャンと言えば?
このゆる~く英国的なシニカルな雰囲気にも満ちたグルーヴ。愛すべき名作ですよね~。
アメリカの男女フォーキー・デュオなんですが、ブリティッシュに通じる陰影があって、歌声は、まるでイアン・マシューズとジュディ・ダイブル!
お次もアメリカのグループながら英国に通じるバンドをピックアップ。このどっちつかずな浮遊感や神秘性は「秋」から「冬」に揺れる今の季節にぴったり。
インドネシアの音楽を。インドネシアいうと熱帯なイメージが僕にはありますが、この作品は、「秋」から「冬」への季節の変化とともに、色が変わっていく様子を音にしたようなイマジネーションがいっぱい。
だんだんと陽が落ちてきたら、こんなブリティッシュ・ジャズ・ロックでも。米南部のソウル・グループのようにR&Bフレイヴァーいっぱいにグルーヴィーだけど、土臭さはなく、格調高くしなやか。
穏やかなこの一日に感謝の気持ちをこめて、アルゼンチンらしいリリカルなフォークを。
夜が更けたら、キャッチーかつ翳りたっぷりなカナディアン・プログレでも。
夜の深まりとともに、イマジネーション豊かなサウンドを聴きながら空想の世界へ。
来日時の勇姿がまだまだ色鮮やかにまぶたに残る北欧プログレの雄、フラワー・キングス。2013年作もまた冴え渡るイマジネーション豊かなサウンド。文句なしの傑作です。
一日の終わりは、感性豊かな女性ヴォーカルを。
パキスタン生まれ英国育ち、メディアからはカレン・カーペンターやキャロル・キングを引き合いに紹介され、バート・バカラックやエルトン・ジョンも絶賛する新鋭女性SSW。
まだまだ、秋の夜長は続く・・・。
70年代アシッド・フォーク/サイケ・フォーク屈指の傑作と言われるのも納得・・・。
夜が明けて外に出てみたら、冬の気配が。
清涼感ある女性ヴォーカルと穏やかな男性ヴォーカル。透明感溢れるメロディー、フルート。ジャケはヒプノシスです。
71年にRCAよりリリースされた唯一作。清涼感ある女性ヴォーカルと穏やかな男性ヴォーカルとによるコーラス・ワークが素晴らしい英フォーク・グループ。繊細に爪弾かれるアコギ・アルペジオと透明感溢れるメロディーが絶品の格調高い英フォーク、流麗なメロディと男女ヴォーカルの穏やかなハーモニーが素晴らしいフォーク・ポップなど、どの曲も印象的なメロディと品のあるアンサンブルを持った佳曲揃い。「冬の朝の静けさ」をイメージさせる雰囲気は、Trader Horneに通ずるものを感じます。名作。
全員がセッション・ミュージシャンというイギリスの技巧派バンド、70年の唯一作。タメが効いていてスケールの大きなリズム、グルーヴィーに弾き倒すオルガンからリリカルなピアノまでセンス抜群の鍵盤、艶のあるクリーン・トーンのカッティングがカッコ良すぎるギター!R&Bフレイヴァーいっぱいにグルーヴィーなんですが、土臭さはまったくなく、格調高くしなやかなのが印象的。映画音楽のような管楽アレンジも見事。う〜ん、素晴らしい。印象的なジャケットはキーフ。
90年代以降のインドネシアを代表するロック・バンドGIGIのギタリストであるDewa Budjanaの2013年作ソロ。ジョン・マクラフリンをフェイヴァリットに挙げているとおり、フュージョン・タッチの流麗かつゴリゴリとアグレッシヴさもある演奏が印象的。オープニング・ナンバーからキレキレで、シンセが豊かに広がる浮遊感ある「静」のパートとベースが強烈にうねるヘヴィな「動」のパートとを行き交う中を、ギターが多彩な音色を駆使しながら終始テクニカルかつ流れるようなフレーズで畳み掛けます。RETURN TO FOREVERから80〜90年代以降のKING CRIMSONまでを飲み込みつつ、ジャケのイメージ通りのイマジネーションでまとめあげたサウンドはかなりスケールが大きいです。2曲目のアコースティックなナンバーも凄くて、東南アジアらしいエキゾチズムを振りまきつつ、爽やかなポップ・フレイヴァーも感じさせたかと思うと、突如、ギターを中心にリズム隊も一体となってフリーキーに暴れだして、と思ったら、フリーキーさはそのままにイマジネーションも溶け合ってきたり、いや〜、すごいセンス。音のマジシャンぶりは、ちょっぴりフラワー・キングス率いるロイネ・ストルトも頭に浮かびました。インドネシア恐るべし。プログレ・ファンは是非一聴を!
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